☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~

翌日の朝10時、わたしと梓は由衣と駅前で待ち合わせをした。


由衣は時間通りにやってきた。


いつもの穏やかな表情は消え、深刻な表情を浮かべている。


わたしと梓は少しでも、由衣の不安な気持ちをやわらげようと、優しく彼女の手を握った。



産婦人科がある場所は、梓がきのうの夜のうちに調べていた。


駅の近くにある産婦人科医院で、院長は女医だ。


わたしたち三人は勇気を出して、医院に足を踏み入れた。


その医院は比較的新しく、きれいだった。


壁には、花の絵が飾られている。




まず初診の申し込みをした。


少しして、由衣に問診表が渡された。


記入項目を一つずつうめていく由衣の姿を見ているうちに、わたしは自分自身が問診表を書いた日のことを思い出していた。


赤ちゃんの命は、わたしの決断にかかっていることを、初めて強く実感したあの日――。


出産を希望するのかしないのか、わたしは決断することができなかった。


そして由衣もまた、その項目は記入せずに提出した。


由衣の心は動揺していて、とてもどちらかを決断できる状況ではなかった。



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