☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
三人で待合室にいると、由衣だけが呼ばれた。


付き添いの人は、診察室の外で待っているようにと言われた。


由衣が不安げな表情で、一人で診察室の中へと入っていく。




しばらくたってから、看護師がやってきて、わたしと梓も診察室の中に入っていいと言われた。


由衣がわたしたちも一緒にいたほうが心強いと医者に言ったので、家族ではないけれど、わたしたちも診察室に入れてくれたのだ。



由衣は内診とエコー検査を終え、検査結果や今後のことについての説明は、すでに受けた様子だった。


目の前に貼られたエコー写真は、由衣のおなかのなかの画像だ。


おなかのなかの画像には、小さな豆粒ほどの赤ちゃんが写っている。


やっぱり由衣は妊娠していた――。




わたしの胸に、診察を受けた日のことが蘇ってきた。


あの日、わたしは初めて、赤ちゃんの姿をこの目で見たのだ――。



この産婦人科の院長は、まだ30代後半くらいの若い院長だった。


「あなた方は、お友達ですね?」


院長がわたしと梓にたずねた。


「はい。」


わたしたちは声をそろえて答えた。


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