☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
五月の初め。


今年も公園のあの大きな花壇には、真赤なチューリップが麗しく咲いている。


わたしと剛は、剛の誕生日に、真赤なチューリップを見に公園を訪れた。


この場所は、わたしたちを愛で結びつけた場所だから。



今年もわたしたちは、真赤なチューリップをバックに写真を撮り、そのあとあのベンチに二人で腰かけた。


空は青く晴れ渡っている。


わたしたちは花壇を眺め、そして空を見上げた。


こうして空を見上げていると、天国から、美幸が笑いかけてくれているような気がする。


剛に促され、わたしは手を合わせた。


そして美幸にお祈りした。





それから数日後のことだった。


放課後、駅前で梓と別れて、改札口へ向かおうとしていたとき、わたしは見覚えのある女の人の姿を見つけた。


その人は、わたしと梓が由衣を連れて行った産婦人科の院長だった。


わたしは由衣の付き添いで行っただけなので、おそらく覚えていないだろうと思いつつ、わたしは院長に声をかけた。


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