☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
しばらくして、お母さんが二階に上がってきて、わたしの部屋のドアをたたいた。


お母さんは部屋に入ってくると、わたしに茶色い封筒を手渡した。



「これ、何?」


わたしはお母さんにたずねた。


「開けてみたら分かるから。」


お母さんはそう言った。




わたしは封筒を開けて、なかに入っていたものを取り出した。


そしてはっとした。




そこには一枚のエコー写真があった。


小さな小さなわたしの赤ちゃんの写真が――。


お母さんが医者に頼んで、写真をもらっておいてくれたのだろう。



「実はね、今日お寺に行ったときに、この写真も一緒に供養してもらったの。手術前の最後のエコー検査のあとに、先生から教えてもらったんだけど・・・、赤ちゃん、女の子だったそうよ・・・。」


そう言ったお母さんの声は、少し涙ぐんでいるようだった。


わたしの将来を考えて、中絶するように強く言い聞かせたのはお母さんだったけれど・・・、


でもお母さんも本当は、すごく辛かったのだろう・・・。


お母さんはわたしを産んだから、赤ちゃんを産めなかったわたしの気持ちを、痛いほど分かっているはずだから・・・。


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