虹と夢


「おい、白姫はいるか~」


大宮先輩もいた。
大宮先輩の声がした瞬間、田中さんは手を離して私からも離れた。


「し……白姫?おい、泣かせた奴は誰だ」

「た…田中愛が泣かしていました……」

「おぉ、また教えてくれてサンキュ。君の名前は?」

「星野司[ホシノ ツカサ]です」


星野司……あ、隣の席の子だ。

先輩は名前を聞くとお礼を言ってニコリと笑った。
そして男子全員教室の外に出した。


「お腹痛いっていうから俺が保健室に連れて行ったんだよ。で、ほっとけなかったから俺が付き添ってた」


先輩……


「ウソって決めつけて殴るなんてな」

「ち、違い…「もういいです」


< 16 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop