両手ヤンキー

通り魔と二人

彼らが彼女に出会ったのはこの日でした。

その日は、

「ざっけんじゃねーぞ、ボケがあ!!」

正に、

「黙れや、獣如きが俺に逆らってんじゃねー!!」

いつも通りの朝でした。いえ、本当に。


西高の不良を束ねる木更津と南高の不良を束ねる榊原の朝の喧嘩。

もうこの辺の地域ではこれ、日常茶飯事と言ってもよろしいくらい毎度の事でして。


周りの西高南高の生徒たちは清々しいくらい二人を無視して登校しております。

その姿には一種の美学すら感じます。嘘です。



「おいおい、パンチが軽いぜ!?子鬼」


「キャンキャンほざいてんじゃねーよ、犬」



にぶい音と怒声。それから、いつの間にかお互いのボスの喧嘩を応援に来た不良どもが声援を飛ばしております。

五月蝿い事この上ありません。

学校に行く気があるんでしょうか。



さて、声援と殴り合いがヒートアップしてきました。さっきよりも五月蝿い。

その時でした。





群がる不良をかき分け、フードを被った男がやってきました。


フードの彼は周りなど気にする様子も無く、スタスタと喧嘩をしている二人の元へ歩いていきます。

そして


「あ?てめー、な……っづ!??」

「なん…………っ…!??」




二人を、ぶん殴りました。
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