HERO
「確かにこの人は梓さんにそっくりです。いや、20代の瀬能梓さんそのものと言っても過言ではない。しかしさっき彼が言ったようにコレは、瀬能梓さんに似たヒューマノイド。ロボットなんです」
「ロボット?何言ってるの?冗談はやめて」
「製造者は僕です。まあ、肉体に関しては、チームに任せっぱなしで僕が造ったとは正直言えませんが」
「あなた、一体何なの?ロボット造ったって、どう見ても中学生か、高校生くらいでしょ?」
「正解です。僕は15歳。本来ならまだ高校1年生。しかし歴きとした大学生ですよ」
胸に垂らした『**大学 平』という名札を指さして、平は白衣のポケットに両手を突っ込んでこちらを見つめた。
妙に優しい笑顔に虫酸が走る。
「本物の梓はどこ?あなた、知ってるんじゃないの?」