HERO


そして、幼い子供のように毎晩泣いている姿もそう思わせるひとつの要因だった。




少しでも肩に触れれば大げさに反応し、会話の際は相手の目を見ることすら拒んだ。




そんな梓が初めて私に笑顔を見せた時、何とも言えない感情が溢れたのを覚えている。




それはまるで、姉のような、母のような、この人を守らなければというとても強い使命感だった。














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