Lovers
今だけのチャンス。

『友達』になってしまった『好きな男』に抱かれたかった。


いつも通り私の部屋の前まで送ってくれたハヤト。


『じゃあな』


そう言って背中を向けて帰るはずのハヤトの腕をそのまま引いて、玄関に引き寄せた。


『ナナ……』


ネクタイを引っ張って強引にキスをすると、すぐにハヤトが主導権を握った。

いつも部屋の前まで送ってくれるのに、ハヤトは私の部屋に入ったことがない。

それなのにベッドの位置を探し当てて、軽々と私を運んだ。


ブラウスのボタンにハヤトの手がかかったとき目を閉じた。


『ナナ』

『……』

『目、開けろ。わかってんのか?』

『……何』

『抱くぞ』

『バカ。誘ったの私』


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