Lovers


「覚えてない」


だから、これまで通りでいてほしい。

ハヤトをうしないたくないから。

私の胸だけに、昨日のハヤトはしまっておくから……。


「マジかよ…」

「気にしないで……、責任とってなんて言わないから」

「ナナ」

「あぁ、でも失敗。私って、そういう軽い女だったんだね。酔って親友の男とヤッちゃうなんて」


自分をとことんまで追い詰める。

危うく『ずっと好きだった』なんて言ってしまわないように。

身体にタオルケットを纏ってベッドを抜け出そうとしたら、ハヤトの強い力で腕を引かれた。


「ハヤ……」


濃厚な激しいキスが繰り返されて、少し不機嫌なハヤトが、やっと唇にサヨナラをしてくれた。


「友達にキスしていいの?」

「さぁな」


ハヤトは何も言わず先にそのままベッドを抜け出してシャツを着てネクタイを締めた。


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