Lovers
私、バカみたい。

私と同じようにヤスマサくんもそうなりたいと感じていてくれているんだと思っていた。

同じように好きでいてくれるんだと思っていた。

この河原で花火を見ながら言ってくれたのに。


『コナツのこと誰より大切にしたい。……好きだよ』って。


うあとからあとから流れる涙を止めることも諦めて泣きじゃくっていると、背中にとても安心する温もりを感じた。


「コナツ……」


ぎゅっと抱きしめて、優しく私の名前を呼ぶその声。


「コナツ、どうした?」

「……」

「エイコちゃんが、言いに来てくれたから。『コナツがいない』って」

「……ない」

「え?」

「ヤスマサくんに関係ないッ」

「コナツ?」

「私たち……そんな関係じゃないもんッ」

「……え?」


大きくなりすぎるヤスマサくんへの気持ちを八つ当たりに変えた。


「……ずっと好きでいてくれるんだと思っていたのに……ずっと」

「コナツ?俺……コナツのことは……」



……――――――――――
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