Lovers
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あれから10年がたった。
17歳の頃の私の小さくて大きな悩み。
そんな頃のことを思い出していた。
「コナツ……?何考えてる?」
「え……?」
「何か、うわの空じゃないか?抱きあってるのに」
「そんなこと……」
「そうかな?なんか、別のこと考えてるみたいだけど」
熱い肌。
たくましい胸。
昔の思い出を封印し、ぎゅっとその身体を抱き寄せた。
「……ふふ」
「なんだよ。その笑い。新婚初夜だってのに、浮気疑惑発覚だな。誰のこと考えてる?」
「……17歳の……イケメンの男の子のこと」
「何?それ。覚悟しときなよ。今日……寝かさないからな」
優しく目を細めて笑った彼は、指を這わせて私の身体を熱くした。