Together~キミと一緒に~
まったくの別人みたいだった。
「俺ら3人に、いや、俺ら二人はいいや。真里亜に謝って?」
「どうしてです?別に、悪いことはしてないですよ。噂を広げたのは、私じゃなくて周りのみなさんですから。」
「でも、ことの発端はキミだろ。」
「話をするのに、おもしろいなって思っただけです。」
「じゃぁ、俺もおもしろい話持ってるんだけどさ。・・・・・・。」
仁がカナの耳元で何かを言ったらしい。
その時、すぐにカナの目が見開いた。
「どうして、なんで、そのこと、っていうか嘘じゃない!」
「焦りすぎ。でも、旦那さんに聞いちゃったしな。」
「い、一斗に?卑怯ね!」
「さぁ。卑怯なのはどっちかな。できてないのに嘘ついて、そっちの方が卑怯だろ。」
「うるさい!」
「もう二度とこの学校にくんじゃねぇ。」
その声は、仁の声だった。
今までの声とは全く違って、とっても低い声だった。
私も、驚いた。
「神野先輩、怖すぎます。」
どうやら、裕樹も驚いたらしい。
「こないわよ!二度と、こんな学校になんか来ないわよ!」
叫んでその場を走り去っていくカナ。
目にはたくさんの涙を溜めて。
カナ、どうしてこんなことになったの?
私たち、友達だったじゃない。
なんでも、話だったら聞くよ?
でも、そこにはもうカナの姿はない。
もっと早くに、言ってあげるべきだったのかもしれない。
「真里亜?」
「っうぅ・・・」
「泣くなよ・・・。もう全部終わった。」