Together~キミと一緒に~
全部、終わった?
そんなこと、ないよ。
まだ、何もわからない。
何がどうなってるのか、全然わからないのに終わってないよ。
「とりあえず、部活に戻ろうぜ。俺は特に、ヤバい。」
「先に行ってくださいよ。神野先輩は練習しないとさ。」
「真里亜を頼めるか?」
「もちろんです。後で行きます。」
「そっか。じゃぁ、またあとでな。真里亜、もう泣くなよ。」
「うぅ、っうんっ。」
最後に私の頭をポンポンッと撫でて走っていった仁。
それからは、裕樹が私の頭を撫でてくれた。
廊下にずっといるわけにもいかず、たまたま空いていた2年3組の教室へ入ることにした。
「俺の教室の施錠ゆるいな。誰か鍵かけろよな。って、今回は逆にありがたいけどな。」
ほんとに、今回はこの教室だけでも空いててよかった。
しばらく、私が泣きやむまで待ってくれた裕樹。
「そろそろ、部活行くか。俺らも、そろそろ怒られるぜ。」
「・・・うん。ごめんね。」
「あとで、帰るときにいろいろ話してやるよ。」
「うん。ありがとう。」
裕樹はちゃんとわかってくれていた。
私が、さっきの状況をうまくのみ込めていないことを。
裕樹はそっと手を差し出してくれて「行くぞ」と言って私の手を取ってくれた。
その後、岡本先輩に初めて怒られた。
それでも、怒り方も優しくて少し安心した。
岡本先輩のイメージが保たれた瞬間だった。
その横で、相変わらず大笑いの佐藤先輩もそのままだった。
それから、帰る時間になり裕樹はまた私と一緒に帰ることになった。
というか、この光景はいつものことだし、さっきの話を聞かないといけないしね。