Together~キミと一緒に~
それなのに、あの人は・・・やっぱり神野仁はわからなかった。
「あ、神野せ」
『あのな、俺何回も言っただろ。』
『でも、私仁のことが好きだから!』
俺ってつくづくついてない。
なんでこんなも、神野先輩の告白タイムに出くわすわけ?
そっと、その場を離れようとした俺はそのあとすぐに振り返っていた。
『てめぇみたいな女、めんどくせぇんだよ!俺には女なんか必要ねぇっつんてんだろ!』
「先輩・・・」
『お、裕樹。』
『仁・・・っ』
『俺の名前、二度と呼ぶな。』
またこの人は、女子を泣かせた。
『裕樹、部活行くか!』
「先輩・・・」
『ん?なんだ?』
俺は言ってはいけないことを言った。
でも、後悔はしなかった。
「あんた、腐った人間だ。」
神野先輩の顔が引きつったのがわかった。
『裕樹、俺ってこういう人間なんだ。』
俺はひどいことを言った。
なのに、神野先輩は怒らなかった。
どうして?
怒ってよ。
ここは怒るところだろ?
なのに、なんでそんな顔で俺にそんなことを言うんだよ!
『はぁ・・・。あんたも、早く俺の前から消えな。』
『っ・・・仁のバカっ』