Together~キミと一緒に~
部室に戻るとすぐに、岡本先輩に呼ばれた。
「神野君と話できた?」
「あ、はい。」
「そう。あなたたち二人がギクシャクしてるとこっちもなんだか、ね。だからよかった。」
岡本先輩の言っている意味がよくわからなかったけど、でもよかったみたい。
「あと、下野くんがあなたのこと捜してたみたいよ?」
「え、いつごろですか?」
「神野君と真里亜ちゃんが出て行ってからすぐくらいかな。」
「ありがとうございました。」
「あ、先に少しこれやって行って。」
「はい。」
仕事はしっかりやっておかないと怒られますからね。
ということで、自分のやるべきことをやり終えて裕樹を探した。
そして、木陰で一人休んでいる裕樹を見つけた。
「裕樹?」
「真里亜!」
フサッ―――
え?
これ、は?
「神野先輩に何か言われなかったか!?」
「う、うん。大丈夫だけど。」
「よかったぁ・・・。」
と、とにかく離してほしいです。
裕樹は私の体をギュッと包み込んでくれていた。
訳が分からない!
なんでこんなことに!?
「俺が口滑ってあの人に言っちまってさ、もしかして真里亜も今までのあの女子みたいに言われてるのかもって思って・・・。探してもみつかんねぇし、そしたら神野先輩帰ってきたし。」
「探してくれてたんだ。ありがとう。部室から少しだけ離れたところにいたけどね。」
「まじかよ。もっと遠いところ捜してたし、俺。」
「俺、バカみてぇ」って言いながら私から離れて座り込む裕樹。