Together~キミと一緒に~
4投目
私のママ
次の日から私は仁の事をよく見るようになった。
毎日毎日、部活に一生懸命な仁を見つめていた。
今日だって、ほら、今バッティング練習中。
結構当たるものなんだなぁ、と思っていた矢先の出来事。
「マリアンヌ。」
「あ、佐藤先輩。」
「かみやんのこと見すぎ。」
「え?」
「茜里。そっとしておきなさい。」
「だってぇ、マリアンヌって絶対かみやんのこと」
「茜里!」
「うぅ・・・」
岡本先輩に少し怒られている佐藤先輩。
ってか、佐藤先輩その先は言わないでほしいです!
岡本先輩っ、と思って視線を送ると軽くウインクをされた。
多分、岡本先輩は理解してくれてるんだろうな。
本当に、ありがたいです。
その後も佐藤先輩は何か言いたげな感じではいたけど、岡本先輩にうまくまるめられていた。
佐藤先輩の中では岡本先輩はきっと、お姉ちゃんそのものなんだろうな。
お姉ちゃん、ほしいな。
「真里亜。」
「裕樹。どうかした?」
「俺の仕事ちょっと手伝ってくんね?そっちが終わったらでいいから。」
「私、ほとんど終わったからすぐ行くよ。」
残っていた仕事をすぐにやり終えて、裕樹の元へ向かう。
裕樹の仕事を手伝うって、私にできるのかな。
「裕樹。」
「おう。これやってくれると助かんだけど。」
それはスコアをつける仕事。
そのスコアは、仁のもの。
「え、なんで私が?」