Together~キミと一緒に~
「ママ!」
その病室にママがいた。
ベッドの上で横になっているママがいた。
「ママ、ママっ」
「今は意識が戻るかどうか、瀬戸際です。」
病院の先生が言う。
そんなこと、ありえない。
ママが、死んじゃうなんてありえない。
私の、たった一人のママなの。
神様、連れて行かないで。
ママを、そっちに連れて行かないで。
じゃないと、もう二度と会えなくなっちゃうでしょ。
本当はこんな形でなんて会いたくなかったよ。
でも、どんな形でもこうやって会えたんだから、ママの笑顔が見たいの。
お願いだから、ママを連れて行かないでっ。
「真菜。真里亜が呼んでるぞ。目を覚ませっ。」
パパもママの名前を呼ぶ。
でも、ママはまだ目を開けてくれない。
「あの・・・」
そこに入ってきたのは、男の人。
私たちの知らない人がママの病室へ入ってきた。
「皆さんは、真菜のなんですか?」
「えっと・・・真菜は僕の元妻です。」
「え、じゃぁその子が真里亜ちゃん。」
「そう、ですが。」
男の人が私の名前を呼んだ。
面識はないはずの人なのに、どうして私の名前を知ってるの?
「真菜が、毎日のように真里亜は元気かしらって言ってたから。どんな子なのかと思ってたらさ、すごくかわいい子ですね。」
優しく微笑みながら私にそう話してくれた男の人。
「あの、失礼ですがお名前は?」
パパがそう質問すると、男の人は自分の名前を名乗った。