Together~キミと一緒に~
「圭太さん。」
「退院おめでとう。」
「ありがとう。圭太さんと、真里亜にいっぱい力をもらったからすっかり元気よ。」
とびきりの笑顔で笑うママを見ていると、ジンワリと目に涙が浮かぶ。
「あら、真里亜どうしたの。」
「ううん、なんでもないの。」
本当は、ママがここにいるって思うと嬉しくて涙が出てきちゃったの。
でもそれを言うと、この後のパパの話がだいなしになっちゃいそうだったから言わなかった。
「真菜、きっとこれでしばらくは会えなくなるな・・・。」
「そうね。あら、圭太さんもしかして寂しいの?」
「真菜は、寂しくないのか?」
ママの顔を見てみると、そこにはまださっきと変わらないママの笑顔があった。
「当たり前じゃない。寂しくなんかないわ。だって」
―――生きてる限り、またどこかで会えるような気がするんだもの―――
その言葉は、私とパパの心に深く刻まれた。
ママのキラキラ光る笑顔と共に。
「ママっ!」
「真里亜・・・。また、会えるわよ。」
「うんっ、うん。私も、信じてるよっ」
「・・・・・・」
パパは何も言わなかった。
いや、きっと何も言えなかったの。
パパは、本当はママが嘘をついていることくらい気づいてる。
でも、パパは何も言わずにママのことを信じてるの。
ママ、本当は悲しいでしょ?
辛いでしょ?
寂しいでしょ?
だってね、私だってそうなんだから。
パパだって同じ気持ちなんだよ。