Together~キミと一緒に~
どうして走って帰ったのかはわからないけど、早く帰りたかった。
早く帰って、聞きたかった・・・本当のことを。
私にそんな勇気があるのかと聞かれると、無いに等しかった。
でも、一言、一斗の口から「嘘だよ」って聞けたら私は信じるから。
家について、部屋に上がり急いで一斗にメールをした。
“カナとどういう関係なの?”
“カナのこと好きなの?”
“カナとセフレなの?”
いろんな思いが込み上げてくる。
悩みに悩んだあげく、思ったこと。
さっき見た光景をなかったことにすれば、それが正解なんじゃないの?
無理に一斗に聞いたら、きっと嫌われちゃう。
まだ付き合い始めて二日目なのに。
もう嫌われちゃうなんて、そんなの嫌だ。
だったら、さっき見たことはなかったことにしよう。
見なかったことに―――
そっとケータイを閉じて、机の上に置いた。
「・・・宿題、しよう。」
そして、持って帰ってきた筆箱を開けて、宿題を始めた。
まだ、私の恋は始まったばっかりだもの。