Together~キミと一緒に~
甲子園への切符
「っいってきまぁす!」
「気をつけていってらっしゃいね!頑張ってっ」
「うん!」
今日は朝から大忙し。
今日は、試合の日。
今日うちの野球部が勝てば、甲子園に行けるという大事な日。
私も、しっかり準備をして学校へ急ぐ。
その途中、仁に会った。
「仁!」
「真里亜!走れよ!」
「え!?そこはまず」
「「おはよっ!」」
「ここでハモっても!」
「文句言わずに走れ!」
なんだか朝からグダグダ。
まさか朝から仁に会うとは思わなかったけど、あいさつもなく走れって。
確かに、このままゆっくり歩いてたら時間はなくなっちゃうけど。
私の前を仁が走る。
そんな仁の背中を見ながら、頑張れって言いたくなる。
言えばいいんだけど、だいぶ息が上がってて言えない。
きっと言っても聞こえないと思う。
そして数分後、私たちは学校へ着いた。
「マリアンヌ、かみやん、おはよぉ~」
「おはよう、ござい、ます、佐藤先輩っ。はぁっ。」
「あら、走って来たの?お疲れ様。」
「はいっ、岡本先輩、おはようございますっ!」
「マリアンヌ、かみやんと登校?」
「道で、会ったんです。」
私がそういうと後ろの方から「当たり前だろ」という声が聞こえた。
振り返るとそこには笑いをこらえている裕樹がいた。
「当たり前って、なによ!」
「いや、道で会うのは当たり前だろ。ここに来る途中に会ったって言うのが普通じゃねぇか?」