Together~キミと一緒に~

最後の最後まで、みんなは笑顔で家に帰って行った。


私は、というと・・・裕樹を待っています。

さっきから全然見当たらない。


「どこ行ったのよ。先に帰るわよ。」


ここにはもう私しかいない。

だいぶ暗くなってきたし、そろそろ帰りたい。


どうしよう。

本当にこのままこっそり帰っちゃおうかと思ったとき、遠くに人影が見えた。


「悪ぃ!遅くなった!」

「あ、裕樹!ほっといて帰るところだったよ!」


「おう。まじ、悪かった。」


「何してたの?」


「宿題出してた。」

「宿題?」


「今日の朝に出そうと思ってたやつ、出し忘れてこっぴどく怒られた。」

「あ、バカだ。」


「帰るぞー。」


宿題出し忘れるなんて、裕樹も結構バカなんだ。

って、そうじゃないよね。


きっと、今日の試合のことで頭がいっぱいだったんだよね。

なら、仕方ないかな。


少し待つと、裕樹が荷物を持って走って来た。


二人並んで帰る道。

今日はいつもよりも口数が少ない。


しかも、なんとなく足取りが重そう。

私は割と平気なんだけど、裕樹はどうやら眠たいみたい。


だったら、わざわざ送ってもらわずにそのまま帰ってもらった方がいいのかも。

「裕樹、今日疲れたんでしょ。もうココでいいよ?」


「あ?俺が疲れてるって?んなこと、だれが言ったんだよ。」

「足取り重いし、眠そうだよ。」


「なわけねぇよ。」


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