Together~キミと一緒に~
「今日の試合どうだったの?」
「そう!勝ったんだよ!!」
「すごいじゃない!あ、だからもしかしてこの子疲れちゃって寝ちゃったのかしら。」
確かに、ここまですごく眠そうだったけど、まさかついた途端に睡魔に負けるってどうなの?
しかも、私に抱きついてそのままって。
「どうする?家に上がったもらう?」
「それは・・・お、起こすよ。」
さすがにこの状態でうちにあげるとなると、運ばれるのは私の部屋なわけで。
見ててあげる、なんてことになったら大事件だよ。
「裕樹、帰らないと!」
「ん~・・・家・・・?」
「寝ぼけないでよ。ここは私のうち。疲れてるんならお母さんに車で裕樹の家まで送ってもらうよ?」
「あぁ・・・お願いしまぁす・・・。」
お願いされました~、って!?
「ほんとに!?」
「歩けそうにねー。家までは案内しますんで、お願い・・・す・・・。」
「あらあら、ほんとに疲れてるのね。ここまで送ってもらったんだから今度は送ってあげましょ。」
「お母さん、ごめんね。」
「いいのよ。さ、車に乗って。」
「裕樹、車乗って!」
「ん~・・・」
これ、案内してくれるのかな。
車に乗り込むと「とりあえず学校まで行けばいい?」って聞いたら頷かれたので、とりあえずそこまで寝かせてあげることにした。
学校の近くまで来たとき「500メートルくらい先の角を右で、まっすぐ行ったところです」ってだけ言ってまた寝ちゃった。
いや、500メートルって測ったことあるんですか。
と思ってたら、車のメーター計でほんとに500近くのところで角があったわけです。
すごすぎでしょ。
そして、どこまでまっすぐ行けばいいのかわからなくて迷っていたとき裕樹が目を覚ました。