Together~キミと一緒に~
「お、ねえちゃん・・・」
「なんで勝手に使うの!」
「おい、今の音は」
「なんで人のもの勝手に使うの!」
「ご、ごめんなさいっ」
「真里亜、真咲、どうしたんだ」
パパが私と真咲の間に立つ。
「最低ね!」
「真里亜!」
パパが私の名前を呼ぶ。
でも、今はパパの目を見れない。
私は真咲を突き飛ばして違うサンダルを履いて外へ出た。
「真里亜!どこに行くんだ!」
「ショッピングよ!」
サンダルだからそう速くは走れなかったけど、何とか待ち合わせ場所に着けた。
そこにはすでに一斗の姿があった。
「待たせてごめんね!」
「あ、おう。いいよ、そんなに待ってないし。」
そういう一斗だけど、全然私と目を合わせてくれない。
やっぱり、怒ってる?
「ごめんね、朝いろいろあって・・・」
「いや、俺怒ってないから。気にすんなよ。」
「でも、全然目合わせてくれない・・・」
その時、一斗が「あぁ」と言ってそっぽを向いてしまった。
やっぱり、怒ってる。
そう思った直後、一斗が頭をかきながらつぶやいた言葉が聞こえてきた。
「真里亜が、そんなに可愛い服着てくるから、直視できないだけっつぅか・・・」
「え?」
「まぁ、ほら行くぞ!」
キュッと私の手を握って歩きはじめる一斗。
私はその一斗の背中に話しかけた。
「一斗、照れてるの?」
「照れてねーよっ!」