Together~キミと一緒に~
でも、もし仁がアクセをするならどんなタイプがいいのかな。
「いらっしゃいませ。何かお困りですか?」
「あ、いえ、その。」
可愛らしい店員さんが話しかけてくれた。
いつもなら少しお節介でうっとおしいなんて思っちゃうけど、今日はむしろ相談したいと思った。
「あの、今流行ってるアクセサリーってなんですか?」
「そうですね、男性ものですか?」
「はい。」
「でしたら」と言いながら店員さんがお店の奥へ行ってしまった。
そして、手に小さな箱を持って戻ってきた。
その中には金色に輝くリングが二つ並んでいた。
そのリングはシンプルなものだったけど、中央に埋め込まれた小さなストーンがとても可愛かった。
「こちらは当店限定のものなんですが、今カップルに人気なんですよ。」
カップルって、別にそういうのじゃないんだけど。
「ペアリング、ですか?」
「はい。学生の方ですよね?」
「はい。高校生なんです。」
「価格も学生さんにもお手頃なお値段にしていますから安心してくださいね。」
笑顔で対応してくれるその店員さんは、どうやら私がプレゼントをする相手が彼氏だと思ってる。
違うんです、ただなぜかあの訳の分からない性格の人に「選べ」と言われて買いに来てるだけなんです、なんて言えない。
「色違いもあるんですよ。こちらはゴールドですがシルバーもあります。」
「シルバー、ですか。」
「お持ちしてみますね。」
またお店の奥へ行ってしまった店員さんはもう一つ箱を持って出てきた。
左手にさっきのゴールドのペアリングが入った箱、右手にシルバーのペアリングが入った箱を持っている。
「いかがですか?」
私はその二種類のリングを交互に見た。
こうやって見てみると、シルバーもきれい。
ゴールドかシルバーか。
仁はリングとかするのかな。