Together~キミと一緒に~
「決まったか?」
「あ、いやまだ。」
そこに裕樹が来て、店員さんの手の上にあるリングを見た。
「いいじゃん。どっちかにしなよ。」
「でも、仁はリングとかするのかな。」
「あの、そういう時はネックレスなどにしてもいいですよ?」
店員さんが悩んでいた私にアドバイスをくれた。
仁が指にするのってあんまり想像できないけど、首にネックレスとしてならつけてくれそうな気がした。
裕樹は私に目で「早くしろ」って言ってるし、これに決めちゃおう。
「じゃぁ、リングで・・・」
って、でもペアなんだけど。
私がつけるわけにいかないし、片方だけってわけにもいかないよね。
「どちらのカラーにされますか?」
店員さんは私がさっき言った言葉を飲んでいた。
これは、買わざるを得ないということですね。
まぁ、片方は私がストラップとして何とかしよう。
「えっと、シルバーでお願いします。」
「かしこまりました。」
あっさりとシルバーと言ったのは、なぜかゴールドのネックレスっていうイメージができな
かったから。
それに、仁がつけるとしたらシルバーの方が似合いそうだったし。
数分後、お会計をしてお店を出た。
「ありがとうございました。」
店員さんは私たちをお店の外まで見送ってくれた。
少しだけ頭を下げてお店を後にした。
「予想以上にかかったな。走れるだけ走るぞ。」
「え!?」
走るって、ここから学校まで?
走れるだけって言っても、裕樹は男の子だから体力はあるだろうけど私はないよ!
「それ、俺が神野先輩に渡してもいいか?」
「え?」