Together~キミと一緒に~
「真里亜、神野先輩に渡せるか?恥ずかしくて結局渡せないとかなったらもったいないだろ。」
「そ、そうだ、ね。渡してくれる?一応手紙だけ入れるよ。」
「いや、帰ってメールでもしろ。その方がいい。」
「・・・わかった。じゃぁよろしく。」
裕樹にさっき買ったリングの入った紙袋を渡す。
「よし、走れ」
え、ちょっと待って!?
私がそういう前に裕樹は走りだしていた。
みるみるうちに離れて行く裕樹を必死で追いかける。
これ、学校に着いたらヘトヘトで仕事ができないかも。
やっとのことで学校に着くと、部活が終わってました。
「マリアンヌ、お帰り。」
「た、ただ今戻りましたっ。」
「どこまで行ってたの?下野くんは?」
「お、かもと、先輩。裕樹は先に戻ってきませんでしたか?」
途中で完璧に裕樹を見失ってしまった私は、足が疲れて休みながらここへ戻ってきた。
裕樹のやつ、ほっといて行っちゃうなんて酷すぎる。
「しものんなら、かみやんとあっち行っちゃったけど。」
「茜里よく見てるわね。まぁいいか。今日はお疲れ様。明日はしっかり仕事してもらうからね。」
「はい!すみませんでした。」
「いいのよ。事情は知ってるから。」
岡本先輩はなんて優しいんだろうか。
こんな先輩に出逢えて本当によかった。
帰る支度をしながら、裕樹を探す私。
ここに来てから全然見当たらない。
また先生に呼び出しかな。
さすがに二度はないか。
「真里亜っ、帰るぞっ。」
その時、背後から裕樹の声がした。