Together~キミと一緒に~

裕樹の手からそのリングをもらって、そっとポケットへしまう。



家について裕樹にシャーペンと消しゴムを渡した。

それから裕樹が帰っていくのを見送って、部屋に入る私。

ポケットへ手を入れると、指先に当たる小さな冷たい感覚。


それを取り出して、ジッと見つめる。


「やっぱり、きれい。」

問題は、これをそのままとっておくのは少しもったいないということ。


つけたいけど、もしつけているときに仁に見られたら勘違いされちゃうかもしれない。

だったら、やっぱりキーホルダーにしちゃおう。

リングのキーホルダーだったら、お店で見かけたりするしなんとかなるかも。


なんとかなるって、なんだか寂しいような気がする。

気のせい、だよね。


でも、仁とお揃いだって思うとすごく嬉しくなる。


私、なんだかおかしいみたい。


机の引き出しを開けて、ストラップを探す。

そして、リングを通して鞄につけた。


私の鞄には何もついてないに等しかったから、このリングがついたことで少し印象が変わったような気がした。

明日、仁がこれを見たらなんて言うかな。


あ、メールしなきゃ。


ケータイを取り出すと、マナーモードにしていて気が付かなかったけどメールが来ていた。

ケータイを開いてみると、仁からのメールだった。


To.仁
リング、ありがとな!すげー嬉しかった。まじ、感謝!


このメールを見た瞬間に、目にうっすらと涙が滲んだ。

なんだろう、この気持ち。


すごく嬉しいのに、素直に喜べない。

だって、私と仁ってそんな関係じゃないじゃない。

こんなにも喜ばれたら、私・・・



「勘違い、しちゃうよ・・・っ」



そっとケータイを閉じて、そのままベッドにもぐりこんだ。


それから、気がついたら寝ていて気がついたら朝がきていた。



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