Together~キミと一緒に~
「今日は早かったのね。昨日は遅かったのに。」
また、喧嘩の種をまこうとしてる。
昨日は確かに帰ってくるのは遅かったけど、でも7時だよ?
女子高生なら普通だよ。
ただ、友達とファミレスで話に夢中になってたら、いつもより1時間くらい帰りが遅くなっただけなのに。
これじゃ、学校帰りにみんなで遊ぶなんてできない。
「お風呂湧いてるの?」
「まだよ。早く入りたいなら自分でお湯沸かして。」
「・・・・・・」
段々と喧嘩の芽が生えはじめる。
「返事してくれないと困るんだけど?」
「はい。これでいいですか。」
「なに?その口のきき方は。親に向かって、そんな口のきき方していいと思ってるの?」
「はいはい!もう、本当に嫌!シャワー浴びるからいい。」
勢いよくリビングのドアを閉めて部屋に向かう。
最近はずっとこんな感じで、少し前までは、こんな風に喧嘩することなんてなかった。
でも今では、お互いが本当に怒りをぶつけあってるというか。
「お姉ちゃん。パパが呼んでるよ?」
「あ、真咲(まさき)。パパが?なんで?」
「知らない。でも怒ってなさそうだったよ?」
「ふーん」と言いながらパパの部屋へ向かう。
パパの部屋はリビングの隣。
さっきのお母さんとのやり取りが聞こえたのかもしれない。
ちなみに、お母さんのことは『お母さん』って呼んでるけど、お父さんのことは『パパ』って呼んでる。