Together~キミと一緒に~

全然こっちを向いてくれない一斗をさらに愛おしく思った。

私はこの時すでに、さっきまでのできごとを忘れていた。



それから私と一斗はショッピングモールへ向かった。

そこで、私がほしがっていたペンダントを一斗が買ってくれた。


そのペンダントは、ちょっと前に雑誌を見ているときに見つけたものだった。

ピンクのストーンが付いていて、ハートのモチーフで女に子に人気のモデルさんがつけていたペンダント。


一目ぼれしたこのペンダントがすごくほしくてパパにねだったこともあった。


でもパパは、そのうちと言ったっきり買ってくれなかった。

半分あきらめてたけど、今日こうやって見つけて一斗に買ってもらった。


値段は、まあまあするものだったけど「これくらいならいいよ。俺らが付き合い始めた記念にプレゼント」と言ってくれた。


それからは、そのペンダントを早速つけて歩いた。


「似合うじゃん。」

「ありがとっ。」


私たちはこの一日を楽しく過ごしていった。

段々とあたりが暗くなってきたころ、一斗が私に質問をしてきた。


「そういえばさ、真里亜ケータイ持ってる?」

「え、持ってるけど。」


「昨日メールしても全然返ってこなかったからさ。なんかあった?」


メール。

そうだ、私昨日はケータイの電源を切ってそのまま寝たんだ。


カナからのメールを避けるために。

今日もまだこの時間になっても電源をつけていなかった。


「ごめんね、昨日は疲れて寝ちゃってたんだ。」
「そっか。最近お疲れな感じ?」

「ちょっとね。」


疲れてると言えば疲れてるよ。

でも、心が疲れてるんだよ。


体はこんなにも元気なのに。


「じゃぁそろそろ帰るか?」

「え・・・」


「明日はゆっくり休んで、また月曜日に学校で会おう。」


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