Together~キミと一緒に~
「そ、っか。」
すごく唇が熱い。
一瞬しか触れてなかったのに。
キスって、こんなにも不思議なものなの?
「急にしてごめん。」
「え、そんなことないよ!すごく、嬉しいっ。」
お互い顔が赤い。
恥ずかしくて、嬉しくて、戸惑っているのもお互い様。
「そろそろ、暗くなってきたし、俺帰るな!」
「う、ん。今日はありがとう、いろいろと。」
「おう。じゃぁまた月曜日な。」
「うん、ばいばい。」
そして、一斗が帰っていく。
そんな一斗の背中を見ながら私はそっとつぶやく。
一斗には絶対聞こえないけど、それでもいい。
私、一斗の彼女でよかったよ―――
一斗の姿が見えなくなるまで、私は一斗の後姿を見つめていた。
それから家の中に入ると、そこには真咲がいた。
「どうして、こんなんところにいるの。」
「お姉ちゃん、あのね」
「お姉ちゃんじゃないって言ったでしょ。」
真咲の横を通って部屋へ向かう。
部屋はとても静かだった。
さっきまで一緒にいた一斗が隣にいない。
それを思うとすごく心細かった。
「あ、そういえば」
ケータイ。
電源つけなきゃ。
きっと、カナからのメールが来てるよね。
でも、全然返信してなかったからきっと途中で送ってくるのやめたよね?
おそるおそるケータイの電源をつける。