Together~キミと一緒に~
色々な思いと共に
選手たちは、涙を流す人や何も言わずベンチへそっと戻っていく人もいた。
それでもたった二人、そこに残っている人がいた。
それは、今日のエースといつものエース。
「仁と・・・」
「尾崎・・・。」
二人は私たちの方をじっと見ていた。
そして、仁はそっと手を振り帰っていった。
後ろを振り向いたとき、そっと尾崎先輩の肩に触れて。
「本当にありがとうございました!」
尾崎先輩が頭を下げる。
そして、次に出た言葉はただ一人に向けられたメッセージだった。
私の隣にいた、たったひとりの彼女のために―――
「弥生!あとでココに来てください!」
それを言って、走って戻っていく尾崎先輩。
尾崎先輩のココ、というのは先輩の腕の中だった。
「っ・・・」
「岡本先輩。降りますか。」
「・・・っうん」
岡本先輩。
私今のでわかりましたよ。
先輩たちは片思い同士、だったんですね。
羨ましいです・・・。
そして、今はみんながいるところへ向かっている途中。
「はぁっ、はぁっ」
私と岡本先輩は二人で走っていた。
すると、向こうから同じように走ってくる二つの影があった。
「弥生!」
「真里亜ー!」