Together~キミと一緒に~
今日初めて会った、しかも公園で急に意識飛ばしちゃったこんな子に、なんでこんなにも優しいの?
「って無理に聞いてる俺の方が鬼か。ごめんごめん。」
食器を持って椅子を立とうとする仁を見て、すぐに私は「違う!」と叫んでいた。
「え、違うって何が?」
「だから、仁は鬼なんかじゃないって、こと・・・。」
私のこの言葉を聞いて、仁がまた椅子に座る。
そこでなぜかホッとしている自分がいた。
「俺は鬼じゃなかったら何?」
優しく聞いてくる仁に目を向けられない。
仁を見ると、左胸がドキドキする。
この感情は、なんなの。
だって、私は一斗のことが好きなんだよ?
「鬼じゃないなら、子鬼くらい?」
「そんなんじゃなくて!」
思わず、仁の言った言葉に反応してしまった私。
子鬼って、結局鬼と一緒だよ。
「鬼の類じゃない・・・。」
「なら、なに。」
「仁は、優しいよ。」
仁の方をちらりと見ると、口をポカンと開けて私の方を見ていた。
その光景がわりと可愛いと思ってしまったりする。
「俺が、優しい?なんで?」
「なんでだろう。でも、仁と話してるとそう思った。」
「よくわかんねぇな。」
「わからなくても、仁は優しいよ。」
「・・・ありがとう?」
なんでそこで疑問形なんですか。
子供みたい。
私よりも一つ上の先輩なのに。
「真里亜は、何に悩んでる?」