Together~キミと一緒に~
一斗の彼女になったこと。
でも、カナのことで振られて傷ついて壊れたこと。
また元に戻れたって思ったら、カナに子供ができてて結局私は捨てられたこと。
全部仁は真剣に聞いてくれた。
「家に帰りたくない理由って、そのことを親にばれたくないから?」
「違うよ。それはまた、色々あるの・・・」
「全部言ったら、少しは楽にならねぇ?」
なんでだろう。
仁に言われると、話したいって思う自分がいる。
そして、気が付いたら話し始めてる。
仁は私の話を聞いてどう思ってる?
かわいそうって思う?
同情する?
私の心の中にあった思いを仁にすべて話し終えたとき、私の心が安心したのか涙が出てきた。
安心って言う言葉はどういうときに使うと正しいのだろうか。
でも、この時の私は本当にホッとしていた。
仁のおかげで。
「真里亜って、すげーよな。」
そんな言葉が聞こえてきたときには驚いた。
私のどこがすごいのかわからない。
でも、仁はすごいって言ってくれた。
「一人で全部抱え込んできたんだろ。壊れたときだってあったみたいだけど、それでも生きてるんだからすげーよ。」
生きてる。
そっか、私生きてるんだ。
でも、この先生きていく意味があるのかな。
もう、何もないのに。
「真里亜」
「ん?」
「真里亜はさ、ここまで一心不乱で走って来て公園を見つけた。そこでさ、なんでベンチに座った?」
「それは、疲れたからだよ。動けなかったから。」
「違うくねぇか?」
「え?」