Together~キミと一緒に~
そっと寝室の扉を開けてリビングを見てみる。
「お?」
「え?」
そこには仁の姿があった。
「もしかして起こした?俺。」
「ううん。寝れなくて。」
「あ、旅行とかでなかなか寝付けないとかってやつと同じ感じ?」
「多分たくさん寝たからだと思う。」
「そっか。なら、見る?」
「え?」
「こっち来て。」
手招きされて仁の隣に行く。
仁の前には小さいテレビが付いていて、そこに映し出されていたのは野球だった。
「あのテレビだと音量のせいで起こしちゃうかと思ってこっちでイヤホンで聞いてたんだ。」
「これって、プロ野球だよね。」
「真里亜ってバカ?それ以外に何に見える?」
「・・・はい。」
隣で笑いのツボにはまっている仁を横目に野球を見る私。
でも、私野球に詳しくないんだよね。
「俺さ、野球部なわけ。」
「そうなんだ。どうりで体格いいなって思ってたの。」
「太ってるってこと?」
「いや、そうは言ってません。」
「あっそ。」
今度は少しふててるし。
感情豊かだな。
やっぱり子供っぽいと思うというのは、言ったら余計にふてさせちゃうかもしれないな。
「野球っておもしろい?」
これを聞いたことを後々後悔する私。
「おもしろいに決まってんじゃん!」
ここから、仁の野球講座が始まった。