Together~キミと一緒に~
野球の基本的なルールから始まり、ボールの握り方やそれぞれのポジションのいいところ悪いところ。
時々野球の画面に目を向けて、選手の紹介。
自分の好きな球団の話。
今までの高校での試合の結果や反省。
そこまで、私に話しますか?というところまで話してくれた。
どれほど時間が経ったのだろうか。
「で、ここで」
「あの!」
「え、ん?」
「そろそろ、寝ませんかね?」
「あ、俺、ごめん。」
「いえ、仁がどれくらい野球が好きなのかよくわかりましたよ。」
「あぁ〜、ほんとにごめん。」
「おかげですごく眠くなってきた・・・」
「子守唄的な感じ?」
「社会科の授業みたいな感じ。」
「なんだ、それ」と言いながらテレビを片付け始める仁。
「明日学校だし、寝るか。」
「・・・はい。」
「なに、もしかして学校行きたくないとか?」
「・・・・・・」
図星ということに仁が気づくのにそう時間はかからなかった。
「なら明日一日ここにいてもいいよ。俺は学校行くけど。」
「え、ほんとに!?」
「おう。好きにして。」
いや、でも私、よく考えなさい。
そこまでお世話になってどうするの。
迷惑って言葉を小学校で習ったでしょ。
「やめます・・・。帰ります、明日は。」
「そう。好きにしてくれていいから。じゃ、今度こそお休みっ、って、なに?」
何してるんだろう、私。
「あの〜・・・これはどういうことすか?」