Together~キミと一緒に~
「し、知らないけど、体が勝手に・・・」
私は仁のジャージの裾を掴んでいた。
「・・・はぁ。俺、女子の扱い方わかんねぇ。」
パサッ―――
ジャージを掴んでいる私の手を払いのけて、行ってしまった仁。
「私、何してるんだろう。」
とっさに取っていた自分の行動が信じられなかった。
明日私は仁と別れる。
ただ、助けてもらっただけの関係なのにすごく寂しかった。
どこかで期待していた自分がいた。
「好きにしてくれたらいい」という言葉に。
「このままここにいたらいい」という言葉を期待していた。
仁の隣にいたいと思ってしまった。
でも、仁は帰ると言った私を止めなかった。
そりゃ、そうだよね。
仁にとっては私はどうでもいい人だから。
それなのに、私何やってるんだろう。
とにかく、ずっと立っているわけにもいかない。
寝室に入り、ベッドに潜り込む。
その時、寝室の扉が開いた。
「真里亜?」
「じ、ん?」
暗くて仁の表情が良く見えなかった。
でも、声からして怒ってるとかっていうのではなさそうだった。
「ごめん、明日の準備してた。」
「そっか・・・」
「さっき、なんで俺の服」
「気にしないで。」
「え?」
「ごめんなさい。なんでもないのっ。おやすみなさい。」
布団をガバッとかぶって目を強くつむった。