Together~キミと一緒に~

本当に嬉しくて顔がにやける。


「私のほうこそ、よろしく、ね、っと。」



口に出しながら、メールの返信をする。


その後も何通かメールをしていると「真里亜、ご飯よー。」と言うお母さんの声が聞こえた。



神崎家はいつも、家族全員でご飯を食べるようにしてる。


それはパパが私と真咲のことを思って、二人が寂しくないように、早くこの家族に慣れることができるように、っていう優しさからきた日課。



最初の頃は本当に会話もなく静かな食事だったけど、今は真咲を中心に場の雰囲気が成り立ってる。



メールを終わらせて一階のリビングに向かうと、そこにはもう3人がそろってた。



「じゃぁ食べましょう」


「「「いただきまぁす」」」



皆で食べるこの時間は、私にとっては苦しい時間。



それは、ご飯をお母さんの隣に座って食べることになるから。


真咲はパパの隣で、美味しそうにご飯を食べてる。



でも、私は毎回食べ終わるのが最後になるくらい、ゆっくり食べる。

お母さんの隣にいると、美味しそうなご飯もお腹に入ってくれない。



私の体はそれだけ、お母さんを嫌っているのかもしれない。



やっとのことでご飯を食べ終わって、自分の部屋へ向かおうとしたその時、私の腕を誰かがグッと掴まえた。


振り返るとそこにはお母さんがいた。



「なに?」


「真里亜、お母さんこれからちょっと出かけるから、食器を洗っておいてくれない?」


「洗って行けばいいじゃない。」



「時間がないのよ。」

< 5 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop