Together~キミと一緒に~
床にゴローンと寝転がる仁。
いやいや、私には罪悪感しか残ってませんが。
構わないって、仁の口癖なのかな。
「勉強ばっかりやっててもつまんねぇよ。」
「頭がいい人はいいですね。勉強しなくてもトップなんでしょ。」
「いや、それは違う。」
え、だって勉強ばっかりやっててもつまらないってことはそれだけ普段勉強してるってことでしょ。
だったら、テスト勉強とかしなくても当たり前に100点とか取っちゃう類に入るんじゃないの?
「周りも必死だしな。少しでも手ぇ抜きゃすぐにトップなんか抜かれるよ。まぁ、校内で1番になったところで狭い世界だけどな。」
「・・・かっこいいこと言ってる。」
「当たり前。ははっ」
これだから優等生は。
でも、本当にすごいな。
部活もやってて毎日疲れてるはずなのに、いつ勉強ってやるの。
やっぱり、天性の才能みたいな?
私には無縁だけど。
「野球部って遅くまで活動するの?」
「毎日朝7時からショートホーム始まる10分前までと、放課後8時まで。」
「ながっ。」
「俺らに取っちゃ足りないよ。他の学校は朝日が昇ったら始めるとか、夜もあがりが9時とか10時。俺らはその点楽な方。」
「へー。運動部って思ってる以上に大変なんだね。」
「文化部とか帰宅部と比べるからそう思うだけ。やってる方は大変って思うやつもいると思うけど、俺は楽しくて仕方ねぇ。」
「いいな。楽し良い日々って。」
その時、仁が私の顔を覗き込んできた。
「なに?」
「楽しい事ねぇの?」
そんな質問、今の私にしないでください。
じっと、私の目を見つめてくるのは仁しかいない。
それに耐えられなくて目を逸らしたら「ねぇんだ。」って納得する仁。
楽しかったこと、あったっけ・・・?