Together~キミと一緒に~

真咲が私の前で泣き始めた。


その涙は一粒や二粒などではなくて、たくさん。


「そんなこと、できないわよ。私のお母さんじゃないもの。」



私の口から出てくる言葉たちはすべて真咲の心に刺さっていく。


「お姉ちゃん!」

「私は、あんたのお姉ちゃんじゃない!私に妹はいないの!」



―――これで、終わった。


そして、何かが音を立てて崩れ始めた。



「お、ねぇ、ちゃ・・・」

「うるさい!出て行って!」


バタンッ―――



真咲を部屋から追い出し、おもいきりドアを閉める。


私のなかにあった気持ちが自分の口からどんどんでていった。

自分の口が信じられないくらい早口に、大声で話していった。


さっき私が叫んだ言葉たちを思い出す。



好きなわけがない

『大っ嫌い』



ずっと思っていたこと

『私のお母さんじゃない』




思ったことはないのに口に出てしまった真実

『私に妹はいない』




私の心が泣いている。

どうして?


どうしてあんなことを真咲に言ったの?


別に、真咲にあたる必要はなかったはずなのに。

私の心はどうしちゃったの?



聞きたい、話したい、誰かにすがりたい―――



だから私は電話をした。

もしかしたらもう寝てるかもしれない。

それでも、もしかしたら、そう思って震える指でボタンを押した。

< 8 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop