Together~キミと一緒に~
真咲が私の前で泣き始めた。
その涙は一粒や二粒などではなくて、たくさん。
「そんなこと、できないわよ。私のお母さんじゃないもの。」
私の口から出てくる言葉たちはすべて真咲の心に刺さっていく。
「お姉ちゃん!」
「私は、あんたのお姉ちゃんじゃない!私に妹はいないの!」
―――これで、終わった。
そして、何かが音を立てて崩れ始めた。
「お、ねぇ、ちゃ・・・」
「うるさい!出て行って!」
バタンッ―――
真咲を部屋から追い出し、おもいきりドアを閉める。
私のなかにあった気持ちが自分の口からどんどんでていった。
自分の口が信じられないくらい早口に、大声で話していった。
さっき私が叫んだ言葉たちを思い出す。
好きなわけがない
『大っ嫌い』
ずっと思っていたこと
『私のお母さんじゃない』
思ったことはないのに口に出てしまった真実
『私に妹はいない』
私の心が泣いている。
どうして?
どうしてあんなことを真咲に言ったの?
別に、真咲にあたる必要はなかったはずなのに。
私の心はどうしちゃったの?
聞きたい、話したい、誰かにすがりたい―――
だから私は電話をした。
もしかしたらもう寝てるかもしれない。
それでも、もしかしたら、そう思って震える指でボタンを押した。