Together~キミと一緒に~
さっき、岡本先輩と佐藤先輩が仕事をしているところは見ていたけど、下野くんを見かけた記憶があまりない。
「あ、下野くんは別よ?」
「別?」
「しものんはね、部員たちの大切な存在だもんっ。」
し、しものん。
可愛らしいあだ名がついているらしい。
佐藤先輩の中だけで。
「何をしているんですか?」
「いろんなチェックだよ。」
「はっ」
そこにはさっきまで部員たちと話をしていた、しものん、じゃなくて下野くんがいた。
「そんなに驚かなくても。」
「きゅ、急にここにいたから!」
「神出鬼没でごめんって言っとく。」
「・・・はい。」
「俺は、みんなの体調管理とか救護系。あとは、軽く球投げてみたりバッティング練習付き合ったり。」
「なるほど・・・」
「私たちにはできないからね。」
確かに、岡本先輩も佐藤先輩もできそうにない仕事。
もちろん私も。
下野くんだからできることなんだ。
元部員の力、っていうのもあるのかもしれない。
「さて、今日はこの辺で帰りましょ。みんなももうすぐ着替えて出てくるんじゃないかな。」
気が付けば、あたりは暗くなってきていた。
時間は7時30分ごろ。
部活って大変なんだな。
明日から気合入れて頑張らなきゃ。
「真里亜~。」
「はいっ!?」
「あら、神野くんが呼んでるみたいね。」
「仁か。」
「え?」
「えっ?」