Together~キミと一緒に~
「茜里、許してくれたじゃなくてあんたの場合はその態度のおかげで」
「やおい、素直になりなよ~」
「あのねぇ・・・」
岡本先輩はやっぱりお姉さん的な存在。
佐藤先輩が妹のよう。
優しくてきれいで、お姉さんってパーフェクトだよね。
あんなお姉ちゃんがほしいよ。
「あ、あの。」
「なに、マリアンヌ?」
「今日は下野くんと一緒に帰るので、お先に失礼します。」
「そう、気を付けて帰ってね。まぁ、下野くんがいるなら大丈夫かな。」
「また明日ね、マリアンヌっ。」
「はい、佐藤先輩も岡本先輩もまた明日よろしくお願いします。」
「「ばいばい」」
二人が私に手を振ってくれたから私も振り返そうとしたのに、裕樹が急に私の手を引っ張った。
「ちょっ」
こけそうになる私には見向きもせず、どんどん歩いていく裕樹。
「あの!」
「・・・・・・」
しかも無言。
この空気が一番嫌な私は、何とかして裕樹の手を振りほどいた。
そこでやっと、裕樹が私の方を向く。
「あ、ごめん!俺、なんかここまでずっと真里亜の手引っ張ってた。」
「え?」
「まじで、ごめんっ!」
この状況は、つまり裕樹は自分の行動を把握してなかったってことになる。
それって、無意識に私の手を握って引っ張ってたってこと!?
「俺、あの空気が苦てっていうか・・・」
「あの空気って、岡本先輩たちがいたあの場所?」
「女子の会話の中にいるのって結構キツイもんだから。」
「そっか、裕樹は男の子だもんね。」
「いまさら?」
「ははっ」って苦笑いをして話を流した。