Together~キミと一緒に~

そりゃ、裕樹は男の子だってことを忘れてたわけじゃないよ。

でも、あんまり違和感がかなったっていうか、ね。


「まぁ、帰るか。」

「だね。」


私と裕樹は同じ道を二人並んで歩いた。


でも、裕樹の家ってこっちの方面なのかな。

仁はこっちで途中まで一緒だけど、裕樹の家って・・・?


「裕樹は家ってこっちにあるの?」

「いや、むしろ真逆。」


「え!?それって、帰るのが遅くなっちゃうよ!」

「うん。別に気にしてない。」

「気にしてないって、でも真逆は大変でしょ。私、ここから一人で帰るよ。」


「こんな時間に一人じゃ危ねぇだろ。」

「大丈夫、あと5分も歩けばうちだから。」


本当はあと10分くらいかかるけど、でも裕樹にわざわざうちまで送ってもらう筋合いはないわけだし、ここで帰ってもらおう。

「なら、距離変わんねぇじゃん。ここで帰るのも着いて帰るのも。」


「でも、明日の朝も早いわけだしさ。」

「へーき。」


「でも、体調に悪いし。」

「めっちゃ元気だし。」


「でも」
「でもでも、うるさい。」


「・・・・・・」

だって、送ってもらうなんて。

彼氏みたいじゃん・・・。


仁だって、途中で別れて一緒にうちまで来たことってないわけだし。

まぁ、一回だけあの時は送ってくれたけど、学校帰りじゃなかったし。


でも、今こうやって裕樹と帰ってるのは傍から見たら彼氏彼女だよ。

そんな関係じゃないのに。


私、最近すっごく周りの人に勘違いされてると思う。

全然そんな関係じゃないのに。


弁解も大変そう・・・。



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