Together~キミと一緒に~
「ほんとに?」
「だって、かなり噂になってるよ。」
「だって、神崎さんと下野くんでしょ?」
「まぁ、でも野球部のマネージャーやってるしね。」
「一緒に帰ってるところ、結構目撃されてるしっ。」
「「キャーッ、羨ましいっ」」
ちょっと、待って?
その話って、私と裕樹が付き合ってるってことになってるよね。
違うよ!
ただの、友達であってマネジ仲間です!
「神崎さんって、前は神野先輩だったって噂もあるよね?」
「あ、そうそう。名前呼びなんでしょ?」
「ずるいなぁ。神野先輩もかっこいいもんね。」
「下野くんと同じくらいかな。」
仁のことも?
だから、みんな勘違いなんだって!
私たちは何もないって!
「あ、でも付き合ってたのは一斗くんでしょ?」
「あぁ、あのメチャクチャずば抜けてかっこいい子!?」
「そうそう、でも今は・・・っ!?」
「「あっ」」
「おはよう。」
「「お、おはよう・・・」」
私は、何も聞いていなかったかのようにその人たちの横を通り過ぎた。
きっと、あの人たちはビックリしていただろう。
まさか、噂の本人が近くにいたなんて思いもしなかっただろうから。
教室へ入っても、私にはたくさんに視線が送られてくる。
きっと、あの適当な噂のことと、一斗のこと。
ありもしないことを、そう簡単に信じてるのもどうかと思うし、人の恋を笑うのもどうかと思う。
現に、いまだに私は市野を完全には諦めてないわけだし。
あれ?
そういえば、ここ最近一斗とカナの姿を見ない・・・。