Together~キミと一緒に~
「真里亜。」
顔を上げると、そこには裕樹がいた。
さっきとは違って、とても落ち着いている。
というより、悲しい表情で私を見つめている。
「なぁ、真里亜・・・」
「もう来ないで。」
「・・・・・・」
「お願いだからぁっ・・・っこないでっ」
自然とあふれ出てくる涙。
この涙は、自分が情けない証拠。
二人のために何もできない自分がとても悔しい。
どうすればいいのかわからない自分が腹立たしい。
フサッ―――
その時、私の体を温かい何かが包み込んでくれた。
それは裕樹の体だった。
裕樹の腕の中にすっぽりと包みこまれた私。
でも、こんなところをまた誰かに見られていたら?
それこそ、裕樹に迷惑をかけてしまう。
「裕樹、放して。離れてよぉっ!」
「嫌だっ。」
どうして?
なんで放してくれないのよ。
私たち、みんなに誤解されてるのに、こんなことしてたらまた誤解されちゃうよ。
なのに、どうして・・・。
「誤解されちゃうからぁ・・・っ。もう、離れてっ。」
「それでもいい。」
「え?」
「俺、別に誤解されてもいい。」
「なん、で。」
頭上で裕樹の声がする。
その声は、とても優しいトーンで私を安心させてくれる。
「俺さ」