Together~キミと一緒に~
「え?」
「えっ」
カナ?
どうしてここに?
だって、今日二人は来てないって言ってたのを聞いたばかりだったのに。
一斗は来ていないようだったけど、そこにはカナと数人の女子の姿があった。
「あの、3年生の先輩?」
「そう。神野って言います。」
「神野先輩、と真里亜。それに、噂の下野くん。」
「同じ2年です。」
軽く自己紹介タイムのようになった。
まぁ、私はする意味もなく終わりましたが。
「ありもしない噂を流すのってやめた方がいいよ?カナちゃん。」
「え、どういう意味でしょうか。」
「そのままだけど。」
カナの顔が一瞬こわばったのがわかった。
って、その様子だともしかして。
「カナ、が噂を流したの?」
「・・・・・・」
「正直に言ったら?カナちゃん。」
「うるさいわね。」
そのカナの声はとても低かった。
いつもの陽気な、元気なカナの声ではなかった。
「噂くらい、どうってことないでしょ。話のタネみたいなものよ。」
「その種が他のところでどんどん芽を出してるんだけど。」
「それは自分たちで取ってくださいよ。」
「なかなか言うね。」
「どうも。」
仁とカナの言い争いが続く中、私は裕樹のそばから動けなかった。
カナが、カナじゃないみたいだった。