私と君と、あの子。
 私は亮太の耳元で、「何言ってんの?本当は、麻美ちゃんの隣で嬉しいくせにっ。」と囁いた。そしたら、亮太の顔は少し赤くなって・・・。

 そのとき分かっちゃったんだ。亮太の好きな人が麻美ちゃんだって。

 すごく胸が痛くなって、涙が出そうになった。

 だけど、亮太も麻美ちゃんも、雪斗も見てるし、唇を噛んで涙を堪えた。


「あ、もう帰る時間じゃね?帰ろうぜー。」


 そう言ったのは、雪斗だった。雪斗は、私の腕を引っ張って


「優衣!今日さ、2人で帰ろうぜ?」

「えっ・・・?」

「いいからっ!そんじゃあ、亮太、平川、じゃあな!」


 雪斗は、私の鞄を持って、玄関に向かった。玄関を出て道路に出たとたん、雪斗が止まった。


「雪斗・・・?」

「大丈夫か?優衣・・・。泣きそうだっただろ?」

「・・・雪斗は、いっつも気づいてくれるね。辛いとき、いっつも傍にいてくれる。」

「・・・だって、俺、優衣のこと好きだもん。」


 雪斗の言葉に、一瞬耳を疑った。

 雪斗が私のことを、好き・・・?
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