私と君と、あの子。

「無理すんなよっ！泣けっ・・・？」


　そう言って、雪斗は自分の胸に私の顔を押し付けた。


「雪・・・・斗・・・？」

「辛いときは、泣けばいいんだよ。俺がいつでも、気づいてやるから。」


　雪斗・・・。私はそのまま、雪斗の胸の中で泣いてしまった。声を押し殺して、たくさん泣いた。


「ありがとう、雪斗・・・。」

「ううん、いいんだよっ。・・・優衣？俺、優衣が亮太のこと好きなの知ってるけどさ、俺のことも、考えてくれない？」

「・・・・分かった。ありがと、雪斗。」


　私がもう一度、雪斗にお礼を言うと、雪斗は優しく微笑んで私を抱きしめた。

　ねえ、雪斗？私、雪斗のこと真剣に考えるよっ？

　私は、雪斗のことを考えながら、雪斗の背中に手を回した。