私と君と、あの子。
 莉乃と一緒に教室に入ると、亮太と麻美ちゃんが仲良さそうに喋っているのが目に入った。

 ・・・きっと、2人が付き合うことになれば、この光景を毎日見ることになるだろう。

 その時、私は泣かないでいられるだろうか・・・。

 亮太に、普通に話しかけることが出来るだろうか・・・。

 ちゃんと、片思いをやめられているだろうか・・・。


「あっ!優衣ちゃん、おはよーっ。」

「・・・おはよっ。」

「ねえ、優衣ちゃんっ。優衣ちゃんに、報告があるのっ!」

 
 私は、麻美ちゃんが楽しそうに笑って喋るところを見て、嫌な予感を感じた。


「亮太君と、付き合うことになったのっ!」


 麻美ちゃんが少し照れた顔をして、私に言った。その言葉を聞いて、亮太の照れた表情を見て、本当なんだと思った。


「・・・おめでとっ!よかったね、亮太っ。こんな可愛い彼女出来てっ!」


 精一杯の笑顔で、喜んだ。亮太に笑いかけた。

 この2人が付き合う。
 
 私と亮太は本当に友達になる。

 私の片思いも、消える。

 これでいいんだ。泣きそうになる自分の唇を噛んで、涙を堪えた。
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