私と君と、あの子。
「亮太、今日、麻美ちゃんと一緒に帰るんでしょ?」

「・・・おう。」

「そっか・・・。これから、ずっと・・・?」

「・・・・・・おう。」

「そっか・・・。」


 自分の顔をつねった。今、絶対ダメな表情してる。

 泣きそうな顔しちゃいけない。

 悲しい顔しちゃいけない。

 笑え、笑え、笑え・・・。

 呪文のように唱えても、心から笑うことはできなくて・・・。

 誰が見ても辛いって分かっちゃうような笑顔しか、できなかった。


「私・・・、ちょっと友達んとこ行ってくるねっ。」


 亮太から離れたくて、亮太にこの気持ちがばれちゃわないように・・・。

 もお、やだよっ・・・。亮太のこと、好きなのに・・・。

 2人の幸せそうなところなんて、見てらんないよっ。
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